54歳のリッキー(メリル・ストリープ)は家族を捨て、売れないバンドと共にロサンゼルスの小さなライブハウスで歌い、演奏する日々を送っていた。ある日、別れた夫から“娘が夫に捨てられた”との連絡を受ける。その上、自殺までしかけたと聞いた彼女は、20年ぶりに家族が暮らすインディアナポリスを訪れる。事業で成功した元夫の邸宅で、傷ついた娘ジュリー(メイミー・ガマー)と再会。だがジュリーは、幼い頃に家族を崩壊させた母を嫌っていた。しかも、20年ぶりに会った母は、ジャラジャラとアクセサリーを身に着け、革のジャケットに派手なメイクという姿。結婚して小さな幸せを掴みながらも、夫に女ができたことでそれも崩れ去り、自殺まで試みたジュリー。そんな娘の力になりたいと思いながらも、何一つ母親らしいことのできないリッキー。母娘の過ぎ去った時間は簡単には埋まらなかった。やがてリッキーは決意する。今の自分にしかできない方法で娘の力になろうと。それは歌うこと。心から歌うことで、自分らしく生きてこられた、強くなれたと娘に伝えるために……。